あと、少し前に音楽制作を行った「資生堂アクアレーベル」のCMもオンエアが始まったようです(出演:観月ありさ)。今回は自分としては珍しい「サウンドデザイン&カバーアレンジ協力」の様な関わり方なのですが、出来るだけCMの訴求イメージである瑞々しさを引き出すことに注力して作りました。よかったら資生堂アクアレーベルのCMページをチェックしてみて下さい。
僕はCM音楽を専業としているわけではないけれども、こういったマスメディアに載るメッセージを音の演出面から考えるという作業は、普段の音楽制作とはまた違った貴重な「思考訓練」になっているので、こういったお仕事に関わる機会を頂けていることをとてもありがたく思っています。
話は変わりますが、来週12日に “Hey Boy, Hey Girl” が韓国でデジタルリリースされることになっています。ライセンス先レーベル JMC Entertainment のページではブログでも早速紹介して頂いていますので、是非そちらもチェックしてみて下さい!”Weekend (kissing, touching, tasting, loving)” に引き続き、韓国の皆さんに気に入って頂けると嬉しいです。
今週はその他海外のレーベルのためのリミックス作業などもしていたのですが、制作以外はミーティングとその準備に時間を充てていました。企画のプレゼンテーションをしたり、またある時はヒアリングミーティングをしたりで、様々な方々と充実した時間を過ごさせて頂きました。そのこととは直接関係ないのですが、資料として色々な本も読んだので、面白かったものを一部紹介しておきます。
「ハリウッドで勝て!」(一瀬隆重著)、「文化に投資する時代」(亀田卓+寺嶋博礼著)、「情報楽園会社」(増田宗昭著)、「堕落する高級ブランド」(ダナ・トーマス著)、「日本における音楽出版社の歩み」(社団法人音楽出版社協会著)、「コンテンツビジネスで失敗しない法則」(山田有人著)など。
「ハリウッドで勝て!」はJホラー・ブームの立役者である映画プロデューサー一瀬隆重さんのキャリアの経緯と今後の日本の映画産業に対する提言が収録されていて、新書ながらも読み応えのある一冊です。「文化に投資する時代」は日本のエンタテインメントビジネスのケーススタディ&エピソード集、「コンテンツビジネスで失敗しない法則」は、ファイナンスや法律面での実践的なガイド。後者は相当前に出版された本ですが、今でも有益な情報源だと思います。「情報楽園会社」も古い本ながら、TSUTAYA創業者である増田氏が起業時のエピソードから成長、挫折を描いた貴重な一冊。
「日本における音楽出版社の歩み」はMPA(日本音楽出版社協会)の出版物で、一般販売はされていないですが、日本の音楽出版ビジネスの成り立ちと特徴を掴むのに役立つ資料です。ご興味ある方はリンク先のMPAのサイトで詳細をご確認下さい。「堕落する高級ブランド」は最近の高級ブランドビジネス、ファッションビジネスの現実を描いた”センセーショナルな”本ではありますが、個人的にはそこまで驚くような内容ではなく、おさらい的に読みました。この手のブランド・ビジネス(という名のファイナンス?)に興味のある方は、「ブランド帝国LVMHを創った男 ベルナール・アルノー、語る」と併せて読まれることをお薦めします。
最後に、夜聴きには持って来いの Naked Music のアルバム “Naked Music: Re-Creation” から “Love Only One” で。引き算的な考え方でミックスされた、かなり渋いアレンジですね。個人的には昔のディスコバンド Change 辺りがぐっとメンバーを減らして地下室で演奏したらこんな感じかなと。80年代活躍したUKソウルの3人組Loose Endsっぽくもありますね。