マイクロブログ・アーカイブズ 2025年3月
人間の脳は狩猟採集時代から殆ど変わっていない。我々は「獲物を生け捕り、敵から身を守り、群れて生きる」ために設計された脳のままでこの時代を生きているのだから、そもそも限界はある。AIの穏やかな知性と人間達の穏やかでない野性からそれを痛感する、2025年。
人間の脳は狩猟採集時代から殆ど変わっていない。我々は「獲物を生け捕り、敵から身を守り、群れて生きる」ために設計された脳のままでこの時代を生きているのだから、そもそも限界はある。AIの穏やかな知性と人間達の穏やかでない野性からそれを痛感する、2025年。
近年放送業界やネットでも「フィンガープリンティング技術」を楽曲使用報告に活用するケースが増えているため、未検知・誤動作の影響はビジネスにも及んでいる。街やラジオ、テレビでかかっている楽曲をShazamで調べるようになって長いけれど、バラエティやナレーションの入る番組のBGMやライブ演奏の楽曲を識別させるのはまず無理で、全く関係のない曲が表示されることが多々ある。
新作『Moment of Now (Suchness 5)』ではこれまでのSuchnessの時間感覚や浮遊感に「時間を止める」という要素を取り込んでアイデアを練った。記憶に頼らず、感情も引き出さないでひたすら「今、目の前にあるもの」だけに意識を集中させる。それが習慣的にできるようになったら収穫は大きいと思う。
本当の人生は「人生(この世)はばかばかしいもの」と気付いた瞬間から始まる。ばかばかしさを原点として、生き甲斐を見出しながら、他人や社会にマイナスではなくプラスになることをしようと奮闘する。この無限音階の様な「らせん」を楽しむのが人生。
シリアスで斜に構えた作品を作るよりも、心が躍動し気持ちが前に向く作品を作る方が遥かに「人としてのパワー」が要る。悲観や恐怖、ニヒリズムを唱え、煽るのは簡単だし、それに染まるのはもっと簡単で、油断すると重力のように下に引っ張られていく。
「考えること」の大事さは誰もが理解しているが、「考えないこと」=無心になることの大事さは意外と理解されていない。マイケル・ジョーダンやコービー・ブライアントのトレーナーと、禅僧のティク・ナット・ハン。すなわち熾烈な競争を勝ち抜く達人と、心の平穏(マインドフルネス)を説く達人。彼らの心構えが「Don’t Think」という共通項で繋がるのは興味深い。
セネカは「人は財産を奪われると激怒するのに、(労働や他人の怠慢で)自分の時間を奪われることに対しては恐ろしく鈍感だ」というような事を説いた。2000年経った今も、金銭や名声への執着や憧れはあっても、時間を有意義に使った人や、自分のための時間を確保できた人のストーリーに着目する機会は殆どない。
電子書籍よりも本を買って読む機会が増えている。長らくオンライン/デジタル生活でモノを減らすことに意識が向いていたけれど、最近はオフラインの時間を出来るだけ増やしたいという気持ちが強くなった。サーチエンジンも極力使わない。仕事上のやり取りに関しては引き続きテクノロジーを活用しつつも、創作や発想、娯楽に関しては「レス・デジタル」な方向で考えてみたい。
ニュースのコメント欄やSNSなどでは、世間の出来事を全部自分事として捉える風潮があるけれど、自分と直接関係のないことに逐一反応していると、本当に大事な判断を正確に行うための落ち着きとエネルギーを使い果たしてしまう。過度の「内面化(internalization)」をやめて、必要以上に当事者意識を持たないように努めることはストレスフリーへの第一歩。
Tatsuya Oe Updated: 2025/4/3 木曜日
統計学を勉強していると「クラメール連関係数」というのが出てくる。個人的にはこの「クラメール」というのが人の名前なのか、「クラス」辺りと共通するフランス語だったりするのか、そんなところがまず気になるのだが、統計学の教科書などを見ても丁寧な説明が見当たらない。正解はハラルド・クラメールというスウェーデンの数学者だった。科学や数学の世界でも、理屈だけを頭に叩きこむのではなく背後にあるストーリーや周辺情報を知る方が楽しく学べる。
オキシトシンはしばしば「愛情ホルモン」などと言われるが、「愛情の裏返しは憎悪」よろしく、このホルモンが敵対感情や攻撃性を生むきっかけにもなり得るという。この手の実験ではヒトと類似性のある哺乳類としてマウスがよく使われる。それに関して異論はないが、ヒトはマウスのように本能むきだしで行動せず自分を律する努力や訓練をしようという前向きな意思や理性が”少しだけ”残されているはず。と信じたいものの、実態はそうでもない。
60.9-65.9デシベルの音量で100Hzの音を1分聴くと乗り物酔いが軽減されるという研究成果が名古屋大学から発表された。乗り物酔いと気圧変化による頭痛は似ていて、どちらも自律神経のバランスが崩れることによって生じるから、マッサージなどで内耳の血流を良くすれば改善されると言われている。音で物理的な刺激を与えることによっても同じ成果が狙えるということだろう。というわけで、移動の際にはベースをブーストしたヘッドフォンが必携かな(笑)。