全てはプレゼンテーションから: メトロポリタン美術館「China: Through The Looking Glass」展にて
メトロポリタン美術館で開催されている「China: Through The Looking Glass」展に、ファッションとアート、そしてアジア文化の(西洋的な)プレゼンテーション、演出方法の最前線を垣間見ました。
メトロポリタン美術館で開催されている「China: Through The Looking Glass」展に、ファッションとアート、そしてアジア文化の(西洋的な)プレゼンテーション、演出方法の最前線を垣間見ました。
Tatsuya Oe Updated: 2024/11/6 水曜日
ドキュメンタリー映画も様々。あるテーマについて我々に「考えさせる機会」を与えるにとどめ、Yes/Noや左/右の答えを明示しない良心的なものもある。その反面、作り手の結論や感情ありきで作られている、独善的でバイアスの強いものも多い。裏付けや公正さの欠くストーリーをショッキングに演出し、誰かを悪者や敵にして終わりという印象操作の意図があからさまだと、戦争のプロパガンダや選挙キャンペーンと大して変わらなくなってしまう。
ヴォルテールが『哲学辞典』に遺した言葉「本を読み、踊ろう。読書とダンスは決して世界に害を及ぼさない」はセンスの良い名言だと思う。ただ、彼が強烈な反ユダヤ主義者だったり、詐欺罪で訴えられるほど金に執着していたことを考えると、現実的には人が「世界に害を及ぼさないで生きる」のは難しい。読書、ダンスとあと何が必要なのだろう?
イギリスのあるビリオネア・トレーダーがインタビューで「ケンブリッジ大に通っていた頃はスージー&ザ・バンシーズとかザ・ラッツに夢中だったよ」と答えていて、随分珍しい人だと思った。片や日本では(彼と同世代の)村上世彰氏がINUやフリクションのライブに通っていた、という話はなさそうだ。西新宿で小遣いをつぎ込んでようやく聴けたパンクのレコードも今は瞬時にタダで聴けるのが当たり前になってしまった。人生の味わいは「当たり前」を減らすことから。