マイクロブログ・アーカイブズ 2022年10月
「若さとは、人生の或る期間を指すのではなく、ひとつの心の持ちようを指すのだ。(中略)年輪を重ねただけでは人は老いない。理想を見失った時初めて老いが訪れる。」安藤忠雄氏も感銘を受けたというサミュエル・ウルマンの「青春」という詩。これまでに何度も目にしたはずのこの詩の偉大さに気付かなかったのは、(物理的な年齢が)若かったからだろう。
「若さとは、人生の或る期間を指すのではなく、ひとつの心の持ちようを指すのだ。(中略)年輪を重ねただけでは人は老いない。理想を見失った時初めて老いが訪れる。」安藤忠雄氏も感銘を受けたというサミュエル・ウルマンの「青春」という詩。これまでに何度も目にしたはずのこの詩の偉大さに気付かなかったのは、(物理的な年齢が)若かったからだろう。
メディアで作家やアーティスト、漫画家などの快適で洗練された書斎やアトリエを紹介するのを目にする機会は多いが、彼らのキャリアの足掛かりとなった作品はその仕事場からではなく、もっと不便で劣悪な環境の下で生まれたものだと思う。松本清張の経歴に触れてそのことを再確認した。
意外かも知れないが、ジャズはアメリカで「最も人気のない音楽ジャンル」とされている。複雑な音楽性や独特のスノビズム/エリート主義に加えて、ジャズの背景にある歴史的・人種的複雑さがジャズを「面倒臭い音楽」にしている印象がある。音楽すら能天気に(感覚的に)楽しめず、何もかも民族的ルーツや政治思想とロジカルにリンクさせなければ気が済まないのが、良くも悪くも今のアメリカ。
大人になってからはご無沙汰だが、子供の頃プラモデルを作るのが大好きだった。音楽作りとプラモデル製作は似ている部分が多くて、Dark Modelなどは「音のジオラマ」を作っているような感覚がある。「三つ子の魂百まで」ならぬ「モデリング魂百まで」。
ストレスを溜めずに生きるには「他人が作ったゲーム、ルール、契約」で戦わないこと。ゲームの(既存の)ルールを変える、いわゆる「ゲームチェンジャー」は聞こえは良いけど、膨大なエネルギーと資源を必要とする。ゴールは「生き残ること」であって、ゲームを変えたり周囲を制圧することは、副産物もしくは手段でしかないと思う。
仕事上の問題を「より沢山働く」ことや「より複雑にする」ことで解決しようと思った時は、その考え方、取り組み方自体に問題がある。長時間労働というのは「仕事のエンジニアリング(工夫する、知恵を絞ること)」をサボった証拠。そんな風に考えられるようになったのは散々ガムシャラに、かつ無駄に働いてみてからだったりする。
アメリカの実業家や経営者には、業種に関係なくコンピューターサイエンス(CS)の学位を取得した人が多い。法律家や美術の教師、ひいては不動産屋がプログラミングが出来ても何ら違和感ない。「人生100年時代」と言うのなら、「文系」「理系」とか、二十歳そこらで何を専攻してたか程度で人をレッテル付け(差別)したり、世界を二つに分断するのはもう終わりにしてもよいのでは。
アーティストというのは創造とペテンの間を行き来する生き物。見る者聴く者の「認識を操る、曲げる」という点では同じなのだが、後者の側面が強すぎると、作品を鑑賞・体感してもいない人の心まで操ってやろうという野心が前面に出てくる。時に、その浅ましい生き様の方が作品よりも作品らしくなることも。
「分離」「通過儀礼」「帰還」というジョセフ・キャンベルの英雄神話のパターンは一つ覚えのようによく語られる。僕には生家や故郷がないせいか、「元いた場所に”戻る”」という桃太郎的な帰結よりも、「ショーシャンクの空に」のような「新天地にたどり着いてゴール!」という解放的な締めくくりの方が好み。
アルバムOE『Letting Go』の収録曲を、メドレー形式で10分ほどにまとめた動画を作りました。まずはこの動画で試聴いただき、その後は各サービスでアルバム全体を楽んでいただけると嬉しいです。Model Electronic関連の動画を最初にアップすることにしているサービスVimeoは、地味ながらも「ラウドネスノーマライゼーション(音量調整)」のような余計なガバナンスを行わず、広告収益にも執着しない、今どき珍しいクリエイター想いの風土があります。
故デイヴィッド・リンチの著書『Catching the Big Fish』のオーディオブックを聴いた。彼が熱心な(超越)瞑想の実践者であることは全く知らなかった。僕は毎日、頭を空っぽ(無)にする時間を作るようにしているが、続いてせいぜい5分ほど。瞑想よりも呼吸法の方に興味があるけれど、どちらも誰かから「メソッド」を教わろうと思ったことはない。そもそも瞑想や禅思想には、その根底に「将来の実益や成果(”Big Fish”)を求めず、今を生きる」という姿勢があると思うのです。
11月7日(金)にDark Model『Stripped Mixes』をリリースします。前作『Alternative Mixes』の続編的な位置づけとも言えますが、今作はシンフォニーとエレクトロニックな要素で構成されたDark Model本来の重厚で「エピック」なアレンジをさらに削ぎ落とし、リズムやオーケストラアレンジの核となるモチーフに焦点を当てたミックスを収録しているところが特徴です。引き算の美学でDark Modelの音楽を再構築しました。