6th February 2012

Catch Up & Speed Up

ご無沙汰してしまいましたが、皆さんインフルエンザや風邪など大丈夫でしょうか?僕の方は引き続き制作の日々が続いており、今月に入って20-30曲位は制作しました。先日新たにMac Book Proを購入してLogic Proを搭載し、Pro Toolsと二本立ての制作環境にしました(正確にはWindowsに載っているCubaseと3本かな)。ソフトやプラグインも色々と拡充しましたが、基本的にはシンプルで迅速に楽曲制作に打ち込める、合理的な環境を作っていきたいと思っています。

僕の場合打ち込みだけでなく、ギターやベース(最近はウクレレや口笛まで、笑)などの楽器を自分で演奏してレコーディングするケースが多いので、クオリティをキープしながらとにかく短時間にアイデアを形に出来て、更には人に聴かせられる段階に持っていける事がとても重要なんですね。ここ最近は着手~作曲・演奏・録音~ミックスダウンまでを数時間で終わらせる必要がある場合も多いですから、着想とジャッジ、コミュニケーションを迅速にすることはもちろんのこと、コンピュータや機材の環境もそういった視点で改善している最中です。LAの映画/TV・ゲーム音楽業界には、エレクトロニックはもちろん、ハイクオリティのオーケストラミュージックやロックですら10分足らずで仕上げてしまうツワモノがざらにいるので、僕も負けていられません(^-^)。

今日は先程Newsのページにまとめて掲載した情報など、こちらでもキャッチアップをご紹介しておきますね。この他にも現在CMや映画など色々なプロジェクトが走っていますが、公開できるものからお伝えしていきます。国内のニュースもまた近くお伝えできると思います。

米国オプラ・ウィンフリー・ネットワークの番組「Welcome to Sweetie Pie’s」のプロモーション用に楽曲”Unchained Groove”をライセンス提供しました。オプラ・ウィンフリーは、アメリカではオバマ大統領並に知られている女性の俳優・司会者・慈善家です。

Welcome to Sweet Pie's

米国フットウェアブランドSkechersのTVコマーシャル(Brooke Burke出演)に楽曲提供をしました。現在全米で放映中ですが、Skechers のウェブサイトにある commercial ページでもご覧になれます。

Skechers_AD_feat_BrookeBurke

米国ファストフード・ブランドBurger KingのTVコマーシャル「Bacon & Cheddar BK Toppers」に”Glory Day” (未発表)を楽曲ライセンス提供しました。現在全米で放映中ですが、Burger King のウェブサイトにあるpress room のページでも間もなく公開される予定です。このCMは現在NBAの試合の合間などに相当のボリュームで放映されているらしく、友人が携帯で撮ったムービーを興奮して送ってきてくれました(笑)。

Burger King Logo
BurgerKing_Website

近況報告&良いお年を

早いもので、時は既に大晦日。先月から本格的に制作期間に入っていてウェブ周りの情報発信が滞っていましたが、年の終わりにここ最近の動向を少しお伝えしておこうと思います。詳細がこれから確定するものや一部守秘義務もあるので若干曖昧なお知らせになってしまいますが、ご了承下さい。

-Captain Funk関連-

・フランスのアーティストDigikid84 “Got the Groove” のCaptain Funk Remix が間もなく発売されます。原曲を活かしつつ、さらにオーセンティックなディスコファンク・スタイルに仕上げてみました。国内のiTunesなどでも購入できるようになると思いますので、彼のFacebookページなどで詳細をチェックしてみて下さい。

・”Diamonds”, “Somebody Like You” が使用されている Sony PlayStation 3 用のゲーム “Dance Battle VS” は2012年6月末発売になります (Amazon US 商品ページ)。

-作曲家およびModel Electronicとして-

・大手化粧品ブランドのアジア全域版テレビCMの楽曲制作をしました。来年春より中国・台湾・香港・韓国をはじめ、タイ・インドネシア等の東南アジア諸国でも放送される予定です。

・米Microsoft XBox 360 Kinect の年末商戦キャンペーンCMに楽曲をライセンス提供しました。

・米大手ファーストフード・ブランドのテレビCMの楽曲制作をしました。年始から全米で放送される予定です。

・米大手フットウェア・ブランドのテレビCMの楽曲制作をしました。年始から全米で放送される予定です。

そして現在もう2本のCM音楽(米国)を制作中です(ゆえに正月も制作です、笑)。

他にも国内外で現在進行中のプロジェクトが幾つかありますので、もう少し具体的にお伝えできるようになったらこのFindingsでご紹介しますね。

今年、特に後半は作曲活動においても人との縁においても色々な拡がりがあり、収穫の多い1年でした。これまでも曲作りに関しては自分なりにシビアに取り組んでいたつもりですが、新たに様々な方面・分野の音楽(とその使われ方)や人と出会うことで、自分の耳と心をよりタフにすることが出来たのではないかと思います。

今年もFindingsをご覧頂きありがとうございました。よいお年をお迎え下さい!

しばらく制作期間に入ります

先日Twitterで書いたように、先週から本格的な制作期間に入りました。以前から考えていた具体的な課題が幾つかあるので、今それに一つ一つ取り掛かっているところです。SNSはしばらく更新をお休みにして楽曲制作に専念しますが、このFindingsとMEのブログは出来るだけ継続していこうと思っていますので、時々覗いてみて下さい( RSS も利用できます)。

このところ急激に寒くなってきましたので、くれぐれもご自愛下さい。それでは良い週末を!

My Basics -2011 Autumn-

News でお知らせしたように、Model Electronic Library に幾つか新機能を追加しました。デザインを含め全体的な印象はあまり変わっていないのですが、実はバックエンドのデータやPHPファイルを総入れ替えしたりの地味な大工事をしていたんですね。リクエストを頂いていたMP3ファイルの単曲購入にも対応し、プロの方だけでなく一般のリスナーの方にも広く活用頂けるようなバージョンアップを目指しました。市場に流通していないレアな楽曲、ミックスも多く取り揃えていますので、是非Libraryのページにお立ち寄り頂き、試聴などお楽しみ頂ければと思います。

また、Library の方はNewsletter でも更新情報をお伝えしていますので、(英語ではありますが)積極的にサブスクリプション(購読)の登録手続きをして頂けると嬉しいです。過去にCF StoreやClub Model Electronic に登録して頂いた方も重要なお知らせがある場合はメールを送らせて頂こうと思っていますが、このスパム全盛の昨今、過去のメーリングリストの濫用は自分も避けたいと思っているので(自分自身、不必要な告知・広告メールを受け取るのが嫌いです)、ご興味ある方はお手数ですが新たにこのメーリングリストに登録頂けると助かります。ちなみに、現在このME Newsletter は日本を含めたアジア諸国から、北米・南米、ヨーロッパまで、既にさまざまなエリアの方に登録して頂いています。

今年の夏前からMEサイトのリニューアル→ME Library一般公開(ver.2.0)→ME Store Pro立ち上げ→ME Libraryバージョンアップ(ver.2.1) とやってきて、Model Electronic第三期 (と今勝手に名付けました、笑)のウェブ上での「基礎固め」がかなり進んだ感じです。昨年から色々構想を練っていた事がようやく形になってきました。もちろん最も大事なのは音楽そのものであるのは言うまでもありませんが、音楽の伝わり方、利用のされ方が劇的に変わりつつある昨今、作ることと伝える事の両面で常に試行錯誤(もしくは創造)していかなければならない時代、それが現在です。

ソーシャルメディアを音楽に活用する方法・アイデアを様々なメディアで提供し、KissやOzzy Osbourne, Madonnaなどのビッグアーティストをクライアントに持つ Michael Brandvold 氏のブログに “Don’t Forget the Basics – Your Website, Your Songs, Your Live Show” という記事がありました。要約すると「アーティストはFacebook, Twitter, YouTube, Tumblr, Google +などの様々なソーシャルメディアに気を取られ散漫になり、「自分自身のウェブサイトを持ち、ベストなクオリティの音楽を作ってベストなライブを行う」という肝心な基本を忘れがちだ」というような内容です。散々ソーシャルメディアを使えと煽っておいて何を今更という感じもしなくもないですが(笑)、そういう議論が出始めたということは、(欧米の経済情勢の不安定さも相まって)現在進行形のソーシャルメディアへの制度疲労というか、飽和から来る虚脱感が漂ってきた証なのかも知れませんね。

僕もソーシャルメディアは大いに活用していますが、皆さんもmyspaceのブームと飽和、そして凋落からよくお分かりの様に、未来永劫続くプラットフォームやネット ワークなどというものはありませんし、どんな業種の仕事に就いていてもどういう生活/ワークスタイル・哲学を持っていても上手く仕事に活用できて馴染みの良いソーシャルメディアなどあるはずもありません。そこを無理して自分をプラットフォーム/コミュニティのルールやスタイル、「空気」もしくは前回の投稿で書いたような「金科玉条」に合わせすぎることで当初の目的を簡単に見失ってしまうことが出来るのがソーシャルメディアの難しさだと思います。それ自身楽しいものなので、目的を見失っても時間は幾らでも使えてしまう点も含めて。

音楽の「伝え方・伝わり方」は激変すれども、音楽を創り、奏でる人がいることとそれを楽しんでくれる人がいること、そのシンプルでストレートな関係自体はこれからも変わることはないですから、その関係を断絶させないようにすること、その関係を一層豊かなものにしていくこと、これに最大限注意を払って音楽活動とMEの活動を展開し続けていきたいと考えています。それが僕にとっての「基本形」です。

そんなことを考えながらも、Soundcloud 辺りで人気のMΔRRI$ “Rashida Jones” を紹介してしまうわけですが(笑)。ちょっと途中Kenny G みたいな80sの触れてはいけない微妙な部分(?)を感じさせる箇所もありますが、Dam Funk をさらに緩く、かつ2011年風にドスを効かせたようなボトムとチルな感じはついリピートして聴いてしまいますね。CFの ファースト”Encounter with.. (Amazon.com 試聴)“の後半に収録されている”Soft’n'Easy” を少し思い出しました。

Who decided that, Naysayer?

先日ある音響効果の会社を訪問してきました。MEのブログに載せるための情報として、音源のテレビ番組/映像への使用サウンドデザインなどについて僕が普段興味のあること、また分からないことなどをお聞きしようと思ってアポを取ったのですが、編集作業の勘所から音源の使用方法、また音源ライブラリの様々なビジネスモデルについてまで説明して頂き、多岐に渡って実にためになる取材となりました。

話を伺っていて一番印象に残ったのは「音響効果は映像にとってベースの様な存在」という言葉。つまり前面に出て主張するものではないが、なくてはならないもの、という意味です。確かに、曲作りの際にベースラインを変えただけで曲の印象が全く変わるのと同じような存在感・全体に与える影響力を、音は映像に対して持っていますね。非常に的確な例えだと思いました。取材した内容の一部は翻訳したのちにMEのブログに掲載する(これに少し時間を要します)予定ですので、お楽しみにしていて下さい。

先週に続いて洋書で恐縮ですが、今”One Simple Idea” (by Stephen Key) という本を読んでいます。著者のStephenは自分で考えついた様々なアイデア、デザインを企業にライセンスすることで大きな成果を上げている起業家で、米国で大ヒットしたTim Ferriss の著書 “The 4-Hour Workweek” (「週4時間だけ働く」)の中で紹介されたことにより世間から注目を受けました(「週4時間だけ働く」は読み解き方にそれなりに注意が必要な本なので、推薦とまでは行きません)。まだ僕も途中ですが、この本に共感するところはその内容だけでなく、彼の楽観的で創造的なアティチュードです。創造的というのは所謂クリエイティブにモノを作っているという意味だけではなく、人生全体をクリエイティブで豊かなものにしようと心がけているという意味においてですね。文章も小難しい表現を避け、読み手の興味とチャレンジ精神を高めることに注力して書かれていて、好感が持てます。

アイデアやデザインを売る、ということになると必ず出てくるのが著作権や登録商標、もしくは特許の話。もちろんこれらを知っておく事は非常に大事だけれども、知っていればもちろんアイデアが浮かぶわけでも、そのアイデアが多くの人に受け入れられるわけでも、またさらにはアイデアが完全に守れるわけですらありません。そこを過大評価し過ぎる、もしくは必要以上に「起こってもいないこと」を予防しようと躍起になっても、結果としては弁護士・弁理士の先生と特許庁を儲けさせるだけです(笑)。あまり神経質になったところで、よほど気前の良いベンチャー・キャピタリスト(というかエンジェル)でも見つけない限り、アイデアを公開する前に見えない恐怖に煽られプロジェクトが頓挫もしくは破産してしまいかねません。そんなことのカモになる役回りは、100億カジノにつぎ込める位余裕のある方にお任せしておきたい(爆)。冗談はさておき、その辺りの固定観念にどう対応し、楽しく創造を続けるかについても、上の本では著者の実体験を持って丁寧に説明されています。

(蛇足ですが、弁護士・弁理士さんに関わらず、「士業」の先生が言うことは基本的に(見え)ない穴を穴として顕在化させるマッチポンプ的な視点(=「奥さん、キッチンはバイ菌だらけですよ!」的な恐怖訴求)が常にあると考えた方が良いと思います(もちろんそのテクニック自身が悪いわけではない)。僕自身も様々な試行錯誤を経て、今は大変信頼できる先生方とお付き合いさせて頂いています。)

そんな事を考えていて今日のタイトルに至ったわけですが、世の中「○○するには××しないといけない」という、「そんなの誰が決めたんだ?」と言いたくなる「妙な常識」「金科玉条」もしくは「強迫観念」「心理的障壁」「杞憂」がまだまだ多すぎます。「間違ったベクトルの完璧主義」「減点主義」と言い換えても良いでしょう。そして困るのは、この金科玉条が実のところは誰かの儲けなり既得権益を守るための口上(結果的にそうであれ)に過ぎない場合も多いことと、それよりずっと大きな問題として、そういった一人一人が抱える心理的障壁・萎縮が世の中(敢えて言えば日本)を前進させるドライブ・意欲といった「熱」を自らの手で奪ってしまうように感じることです。

最近よく聞くのが、「海外で(と)仕事をするにはTOEIC○○○点以上必要」という触れ込みですが、この恐怖訴求(?)のお蔭で運営者&関連教育機関・書籍はさぞ儲かるでしょう。金科玉条だと思わないで力試しに受けるのは大いに結構だと思いますが、メディアの書き方によっては「○○○点取らないと海外で(と)は仕事をしてはいけない」かのように聞こえる時すらあり、非常に違和感を覚えます。そんなの待ってたら満足の行く点が取れた頃にはまた別の「出来ない」事情が出来てしまう(健康、経済面、年齢など)可能性だってありますから、風説に惑わされず自分の意志と動機を大事にすべきです。その風説も経験した事がない人が無責任に語っている場合が殆どな訳だし、そもそも海外のネイティブの人達はTOEICの存在を知りません(漢字検定と同じとまでは言いませんが、実は非常にローカルな試験です(参考記事))。何か資格的にハードルがあってTOEICの点を稼がなければキャリアに影響する場合や点取り自体が動機になっている場合は別ですが、実践という意味では、Facebook などで海外の友達を見つけてSkypeで共通の話題をチャットしたりする方が遥かに良い練習・度胸試しになるのではないでしょうか。

その昔、高校生の頃自分も「音楽でプロになるには正統的な教育を受けなくてはいけない」とか「メジャーのレコード会社からデビューしなければいけない」とか、世間の金科玉条を勝手に信じていたような気がします。確かに当時は今と状況もかなり違って所謂プロという肩書きを得るのはかなり狭き門でしたが、その後大きく常識と定義が崩れ、デビューがどの国であろうが、どんな教育を受けどんな音楽をしようが、それを聴いてくれるリスナーとマーケット(需要)があって真剣に取り組む価値のあるならばそれが(結果的に)プロだという風に理解出来るようになりました(もちろんプロになっても学ばなくてはならないことは沢山あり、感性一発ではやっていけませんが)。結局のところ、大事なのはプロという「パスポート」ではなくて強固な「意志」であり、最初に抱いていた金科玉条は単に「風説を信じて飛び込まずにいる臆病者(=当時の自分)の杞憂」だったのですね。その後何であれ飛び込む勇気がつき、また世間(Naysayer, Doomsayperと言われる悲観論者) の見解や風説に全く動じなくなったのはそういう経験があったお蔭だと思います。

“Who said a funk band can’t rock?” (ファンクバンドにロックが出来ないなんて誰が言った?)と言ったのは御大ジョージ・クリントンですが、今や”Who said a black man can’t be a president?” はもちろん、 ”Who said a woman can’t be a president?” も誰も言わないでしょう。大統領や首相になる必要はないかも知れませんが、とにかく、自分の心の中や周囲から「○○するには××しないといけない」という囁きが聞こえてきたら、”Who said that?” “Who decided that?” (誰が言ったんだ?誰がそう決めたんだ?)ではね返す習慣をつけたいものです。

先日のオリンパスのM&Aにまつわる事件で、New York Timesかどこかの米新聞系ブログで「日本人は昔から組織ぐるみになると金銭のモラルがひどいから、まあ想像の範囲だな」みたいなコメントが書かれていて悔しかった。確かに日本のコーポレートガバナンス(企業統治)はロシア、中国よりも低いという見解(参考記事)もありますが、これは上の様な「集団的強迫観念」が他の国に比べて異常に強いことの裏返しなのかも知れません。個人的にはそういった伝統的・因習的な強迫観念の呪縛を離れ、”Who said Japanese can’t ○○?” (日本人には○○は出来ないなんて誰が言った?)と海外にガンガン言い返せるような、ポジティブな事例がどんどん生まれる世の中になることを望んでいます。

ちなみに僕が英語を勉強する理由の半分は、「彼らと口論(口ゲンカ)で負けないため」です(笑)。不思議な事に、人間仲良くなる時は言葉はさして要らないのに、ケンカやトラブルの時は(暴力は論外)饒舌な者が勝つんですよね。「言わぬが華」が全く通じないあちらには口の達者な人間は本当に多いですから、日本人以外と仕事をするならネットワーク作りの手段としてはもちろんのこと、「武装」という側面でも英語を身につけないで素手で臨む訳には当然いかないです。

曲はここ数年勢いが良いSkrillex の “Reptile Theme” で。ゲーム”Mortal Kombat” のサントラ(の続編?)”Mortal Kombat: Songs Inspired By Warriors” に収録されています。スネアが良い音してますね。