2025年08月31日
散歩をしていると、ふいにアイデアがひらめくことがある。ひらめいたときには立ち止まり、その場でスマホに入れてあるアプリKeepにメモを取る。不思議なのは、歩き始めて30分を過ぎるころから頭が冴え、次々に発想が湧いてくること。ただし45分ほど経つと疲れが出てきて、早く帰りたくなってしまう。今日は将来の作品のアイデアが浮かんだので、今制作中の作品を後回しにしてでも取りかかりたいくらいワクワクした。
2025年08月30日
今も放映中の米CBSの看板ドキュメンタリー番組『60ミニッツ』で、ディスコ・ブームを特集したエピソードを発見した。1978年、飛ぶ鳥を落とす勢いだったフロリダのレーベルTKからリリースされた 『Dance With Me』(by Peter Brown ft Betty Wright
のレコーディング風景を見られるのは、実に貴重。かなりハチャメチャな時代だったことは容易に想像できるが、ディスコだけにスタジオ作業も楽しそうだ。
2025年08月29日
中国の音楽配信サービス NetEase Cloud Music(網易雲音楽)で、Dark Modelの楽曲『Judgment Day』が600万再生を達成しました。この曲は(先日たまたま触れた)ジェリー・サインフェルドの番組で使用されたことをきっかけにアメリカでのリスナーを増やしましたが、その後は中国でも徐々に広がっていきました。Dark Modelの曲は日本のテレビでも頻繁に使われているようですし、リスナーの方々にもさらに親しまれていくといいなと思っています。
2025年08月28日
つい最近も、SNSで「ブラジルは関税を支払うべきだ」と発言しているのを実際に見かけたので、この記事の内容には違和感はない。関税の何たるかについては、大統領はもちろん、ゼニアの三つ揃いスーツで身を固めたウォール街の連中も、大半は都合の良い理解(=誤解)をしているように思う。彼らにとっては、40年前にオリバー・ストーンが風刺として描いたゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)が未だにロールモデルなのかも、と感じる時がある。
2025年08月27日
ベストセラー『Atomic Habits』には、コメディアンのジェリー・サインフェルドが1日1つジョークを書き留めていたというエピソードが紹介されている。ジョークの出来不出来に関係なく、彼は淡々と毎日続けた。大事なのは「習慣の鎖」を絶やさないこと。邦題は『複利で伸びる1つの習慣』とアレンジされているが、著者が強調しているのは、習慣がもたらす「絶大な成果や収穫」ではない。むしろそれらを当てにしないで、「ひたむきに繰り返し、続ける」行為と環境づくりの大切さ。
2025年08月26日
伊能忠敬が日本全国の測量の旅に出発したのは56歳の時。最初は弟子や助手などの費用の大半を自ら負担するという、とてもインディペンデントなベンチャーだったらしい。まさに「新しいことを始めるのに年齢は関係ない」の好例とも言えるが、本人はそんなことすら意識せず、天文暦学の魅力に取りつかれていたに違いない。などと勝手に共感してしまう。夢覚めやらぬ56歳も悪くない。
2025年08月25日
GPT-5については賛否両論あると思うが、個人的にはGPT-4oのフレンドリーな対応に比べると別人のようで、会話のセンスも少し落ちたかなと感じるところがある。確率モデルについて質問すると「焼き鳥理論でも何でもやりますよ~」と微妙な冗談を返してきた。先日は「やっちゃうよ~」とギャグらしきものをかましてきたので、「それ誰のギャグなの?」と尋ねると「狩野英孝です」。さらに聞き直すと「いえ、出川哲郎でした」と訂正。なぜマセキ芸能社縛りなの?
「GPT-5」はあなたを嫌っているわけではない | WIRED.jp
2025年08月24日
次のOE名義作品のアートワークが決定しました。リリースは10月から11月頃を予定しています。今年前半は音楽以外のことにも好奇心を広げていたので、完成したアルバムは4枚と、昨年までのペースよりはやや緩やかでした。最近はその反動で音楽を創りたい欲求が芽生えてきたので、これから年末にかけては制作にも力を注ごうと思います。では、一昨日リリースされた『Cosmic Funk Expo 2』からさらに1曲。
2025年08月23日
新しいことを勉強するのに、楽しく、長く続けられる方法はないかとしばしば考えたり、調べることがある。ただ、勉強術というと、ほとんどが受験勉強のテクニック、記憶術、もしくは天才の秘密や頭が良くなるコツ、のような、自分が求めているものとは相当に距離がある内容が多い。個人的には、勉強って立派な人になったり、人と比べて秀でるためだけにするものではなく、自分の成長のためにするものだと思っている。って、ちょっと前にも似た内容を書いた(笑)。
2025年08月22日
本日、MERの新作『Cosmic Funk Expo 2』がリリースされました。収録曲「Can’t Take No More」は、ボーカル入りで、アルバムの中でもひときわ異彩を放つ一曲です。各種配信サービスへのリンクは、明日以降、Topicsページにてご案内します。5月に発売された『Expo 1』とあわせて、70〜80年代へレイドバックした、エレクトロニック・ジャズ・ファンクの宇宙旅行をぜひお楽しみください。
2025年08月21日
坂道の多い街に引っ越して以来、歩きながら読書をすることがなくなってしまった。本を片手にジグザグ&ブラブラ歩くのが楽しみだったので残念。織田信長は戦(いくさ)の時に立ったまま食事をしたらしいが、僕が立って本を読むのは、そうした緊張感とはまったく正反対の理由で申し訳ないという感じ。ところで、僕は作曲をしていて調子が出てくると、シータ波やデルタ波が出るのか、居眠りする癖がある。だから、スタンディング・デスクで作曲するのはホラー。
2025年08月20日
インドの楽器・タンプーラをご存知だろうか? 本来は弦楽器で、開放弦を弾くことでドローンサウンドを奏でるのだが、なんとその電子版がある。これに合わせて、本物のシタールやタブラを演奏することもあるらしい。僕はまだ使ったことがないのだけど、このボックスが発するドローンを、どれくらい長時間聴いていられるものか試してみたい気もする。複数台をマイクで拾ってアンプで増幅させれば、ライブで使ったりDJに混ぜたりするのにも十分使えそうだ。
2025年08月19日
世の中に「失敗」というものはなく、それは単に「上手く行かなかった方法」に過ぎないと考える。これはエジソンからフォード、ダイソンまで歴代の発明家が口をそろえて主張していること。ただ、「上手く行くまで試し、粘る」ことをしなければ、それはやはり失敗で終わってしまう。人間の情熱と時間には限りがあるから、全ての失敗を成功へ反転させることは出来ない。何をあきらめて、何に対して「とことん粘る」のか。その覚悟や決意は、自ら体得するしかないのだろう。
2025年08月18日
ある人物がノーベル平和賞を欲しがっているらしい。それはさておき、ノーベル賞を運営するスウェーデンやノルウェーの委員会は、西洋のアカデミズム・学術界の伝統に基づいているため、(米英の大学や研究所での実績や支援がなければ)非西洋の学者達がその実績を正当に評価される機会は依然として少ないように思える。ノーベル賞への過剰な関心を卒業し、日本を含め、中国やインド、韓国などアジアの優れた研究者を評価する風土が育ってほしい。
グーグル関係者のノーベル賞受賞相次ぐ、AI研究巡る議論に一石 | ロイター
2025年08月17日
未来について考えたきっかけは、「植物には記憶があるのだろうか?」という疑問がふと浮かんだから。人間の脳による記憶や認知の仕組みとは異なり、植物にはそうしたものはないが、環境に順応したり、外部からの刺激に反応して習慣化を進める点では、植物も「覚え、学習して」はいる。それでも、人間よりも遥かに未来に向かって生きている。このリミックスはティミー・レジスフォードのDJで知った。原曲とは全く別の世界へ連れて行ってくれる。
2025年08月16日
インターネットを使って瞬時に情報を伝え、受け取れたとしても、その中身は「既に起きたこと」に過ぎない。「今、存在しないもの」はそこにはないし、見つけられない。Udemyも、ChatGPTも、今ないものは教えてくれない。未来のことは誰にも分からないけど、自分が今取り組んでいることが将来に繋がるかどうかを考えることはできる。過去(起きたこと)に囚われて、未来(起こすこと、起こること)に対して臆病になってないか。時々、自分を点検したい。
2025年08月15日
「なぜ」を考えない方がうまくいく、または考えない方が健全な場合がある、ということに気づいたのは割と最近のことだ。何でもかんでも「なぜ」と考えて、その背後にある理由や事情を探ろうとすると、かえって自分の判断や行動を曇らせたり、余計な感情を引き起こすことがある。分からないものは分からない。理屈が合わないものに無理に理屈を見出すことは、こじつけや思い込みを生むだけ。いつも「Why」から始めるのが良いとは限らない。そんな割り切りの技を、もっと磨きたい。
2025年08月14日
サミュエル・ウルマンは「年を重ねただけでは人は老いない。理想を失う時に初めて老いる」と言った。彼は同じ詩『青春』の中で、この「理想」とともに、好奇心、神からの美、希望、喜び、勇気、力の霊感などが人に若さを与えると説いている。ヴィクトール・フランクルが「生き甲斐」と呼んだものも、これに近いものだと思う。僕はこれに「自分が成長していると感じられること」を加えたい。年齢に関わらず、成長を実感できるなら、失望や憂いは些細な問題に過ぎない。
2025年08月13日
就寝前はジャズ・ピアノかアンビエント、あるいは自分の『Suchness』シリーズをよく聴く。ジャズ・ピアノではソロやトリオの演奏が多く、最近よく聴いているのはデニー・ザイトリンの新作『With a Song in My Heart』。ビル・エヴァンスと比較されることが多いが、彼のピアノはビルの演奏のような内向的で神経質な感じはなく、むしろ広がりのある大胆な響きが特徴だ。精神科医でもある彼の流れるような音の運びは、夜に安心して聴ける。
2025年08月12日
幾つかのジャンルの音楽にはそこそこ詳しいけれど、音楽については文字情報や知識ではなく、実際に聴いた音やアートワークから感じる質感のようなもの、つまり耳と目を頼りに聴いてきた。最近はネット上のデータベースが充実してきたおかげで、事実関係を調べるのが遥かに楽になったが、元々人の情報には疎いので、周知の事実や裏話を全く知らないことがしばしばある。40年聴いてきたPatrice Rushenの曲でベースを弾いていたのはこの方だったんだ…。
2025年08月11日
人は他人を裁くと快感物質が分泌されるという話をした。他人を自分の善悪や倫理観で裁いたり、レッテルを貼ることに優越感を感じるのは、それこそ人間がマンモスと共に暮らしていた時代から変わらないのだろう。たとえそれが自己満足や利己的だと言われても、他人に構う意識を少しでも自分の幸せを追うことにシフトできれば、人々は生きづらさから解放されるのではないか?そんなことを、NTSラジオのスローガン『Don’t Assume(決めつけないで)』を見て考える。
2025年08月10日
昨日触れた「勝者の呪い」は、少し物騒な名前だけど、この現象は不動産市場や企業買収ではよく見られ、「常に誰かが割高で買う」というスパイラル構造は簡単には崩れない。特にアメリカでは、あらゆる市場で「高い買い物だったけど、明日には誰かにさらに高値で売れるさ!」といった楽観的なマインドが強く、誰も「買って後悔」なんてしていないように見える。しかし、アート市場ではそのお祭りが終わりつつあるというニュースをよく目にするようになった。
2025年08月09日
オークションでは、落札者が出品物の市場価値を過大評価し、つい高値で落札してしまう傾向がある。で、「実際の価値より高く買ってしまった!」と、あとから悔しがる。これを行動経済学では「勝者の呪い」と呼ぶらしい。けど僕は、少しでも「値段を吹っかけてる」と感じたものには手を出さないタチなので、この説は全然しっくりこなかった。AIからは「あなたはオークションの対象外の人種で、戦略的脱落者とも言えます」との返事。「つまんねーヤツだな~」ってこと?
2025年08月08日
スティーブン・ミランという男がFRBの理事に指名された。彼が昨年書いた論文が、トランプのハチャメチャな関税政策の行動指針になっていると言われている。エコノミストの熊野氏の解説通り、現政権の経済政策は「どう考えてもおかしいでしょ?」の連続だ。移民政策に関しては、”返り咲き”スティーブン・ミラーの、これまた極端に偏向した助言の影響が大きいと言われる。ジャーナリストやメディアは、この「二人のスティーブン」にもっと注目すべきだと思う。
2025年08月07日
2000年を過ぎた頃、自宅でProTools HDを使ってヴォーカル録りやミックスダウンをする機会が増え、来客が多くなった。その際、よくデリバリーで注文したのがカレーの「オーベルジーヌ」だった。そのカレーが、ロケ弁として「すべらない話」で取り上げられるほど有名になったことを知ったのは、東京を離れてかなり後のこと。それにしても、なぜカレー屋のカレーって一度食べると、その味を忘れず記憶しているのだろうか。
2025年08月06日
OEの次のアルバムの音源が完成し、今はその次のアルバムの構想を練っている。今年は堅い内容の本ばかり読んでいたので、リラックスした音楽を作るモードが続いていたのだが、その反動なのか、次はリズムやグルーヴがはっきりとした、躍動感のある音楽を作りたくなってきた。そこでハードディスクを調べてみると、長い間眠っていたディスコやハウスのスケッチが次々と。ところで、最近よく聴くのはSAULTの『10』。UKソウル/ダンスの全盛期を彷彿とさせる。
2025年08月05日
競馬についてはほぼ何も知らないが、今から30年ほど前に、1000近いレースのデータを集め、馬の様々な特性と組み合わせて予測プログラムを作成した人物がいたという記事に釘付けになった。様々な手法や論文を参考にしたらしいが、今で言うデータサイエンティスト&プログラマーがチームでやるような仕事を一人でこなし、ギャンブル沼に挑んだ結果、1ビリオンの実績を上げたというのだから驚かされる。しかも、その奥義を真っ当なビジネススクールで教えているとは。
2025年08月04日
間もなくペルセウス座流星群が見頃を迎えるという。見やすい時間帯は、12日の深夜から13日の明け方あたりらしいが、残念ながら僕はバッチリ寝ている(笑)。今月も地球上では色々と不穏な出来事に振り回されそうだけど、星空はそんなことお構いなしに輝き続けてほしい。さて、22日発売の『Cosmic Funk Expo 2』のプレリリースリンクをお伝えします。リリース当日にはお知らせが届く仕組みになっていると思うので、ぜひチェックしてみてください!
2025年08月03日
PBSやNPRなどの放送局に資金を供給してきたCPB(公共放送機構)が、ついに閉鎖に追い込まれることになった。各方面から寄付が集まりつつあるものの、大幅な予算削減を補うには到底足りないようだ。最近NHKとも提携した『Tiny Desk』のような人気音楽番組や、僕の好きなラジオ局も、いずれ消滅してしまうかもしれない。人々が膨大な創意工夫と時間をかけて築き上げた「レガシー」を、ここまであっけなく破壊するとは。
What CPB Shutdown Means For NPR, PBS | TIME
2025年08月02日
日本の禅僧の方が書かれた本はもちろん、禅の業界誌(?)も買って読んだことがあるくらい、禅文化にはそれなりに関心がある。ただ、戒律や儀式(修行や鍛錬)が厳格すぎて、勝手気ままに生きたい僕のような人間には、どこか近寄りがたい面も。それに対して、ベトナム出身の禅僧ティック・ナット・ハンが説く教えは、もっと大らかで、現代を生きる僕らに寄り添ってくれる優しさがある。就寝前に彼の著書『The Art of Living』のオーディオブックを聴いている。
2025年08月01日
‘8月上旬に木星と金星が接近するというニュースを見ていたところ、『ZWO Astronomy Photographer of the Year 2025』という記事に出会った。ZWOとは、天体望遠鏡などを製造している中国のメーカーで、最近では『See Star』という画期的な商品で注目を集めている。自分にとって音楽は聴くよりも作る方がより楽しいけど、天体写真はハードルが高すぎて、撮るよりも鑑賞する方が断然面白い。