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Dark Model「Storm Goddess」、そして「エピック」の今

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Dark ModelDark Model アルバム・レビューエピック楽曲試聴音楽制作音楽解釈
Apr 22, 2017
Music News,com - Dark Model Saga

今回はDark Modelのニューアルバム「Saga」から、僕のお気に入りの1曲「Storm Goddess」を紹介します。そしてこのところ音楽の世界で頻繁に使われるようになった言葉「エピック」について、「Saga」のレビュー紹介を交えて少し考察を。

Contents

  • 1 試聴&レビュー:組曲「Storm Goddess」
  • 2 昨今の「エピック」2017年版
  • 3 「時間を積み上げる」ということ -シーケンサーの奴隷にならないために-
聴いて頂くとお分かりのように、この「Storm Goddess」という曲は大きく分けて3部から構成されています。Dark Modelのファースト・アルバムは2,3分で完結する比較的尺の短い楽曲が多かったですが、今回のアルバムでは一つの楽曲にもっと起伏やストーリー性を盛り込みたいという思いがありました。この「Storm Goddess」や「Inferno Suite」はそのアイデアを形にしたものです。クラシック音楽の世界で言われる「組曲」とは違いますが、複数の小さなパートが集まって全体として一つのストーリーを形作るという意味では組曲と言っても差し支えないのではないかと思います。

試聴&レビュー:組曲「Storm Goddess」

自分の曲を事細かに言葉で描写するのはとても難しいのですが、ありがたいことに、幾つかのレビュー/評論がこの「Storm Goddess」を的確に、さらには雄弁に説明してくれているので、それらをここで紹介します。

「『Storm Goddess』では、嵐の様な、破壊的なスタッカートビートが活き活きとしたストリングス・リフと一緒になって多層の音構造を作り上げ、強烈な印象を与えている。テクノ的なビートがその背後で演奏されるオーケストラの響きを損なうことなく、それどころかアレンジメント全体を引き立てる役割を果たしている。」

(My Nguyen, The Celebrity Cafe)

「『Storm Goddess』はあなたがスーパーヒーローの映画で聴く音楽の様な、冒険心に満ちた楽曲だ。ビートは絶え間なく変化し、時に力強く疾走し、時に緩やかに揺れる。クライマックスに向かってビルドアップし、そして闇の淵へと進んでいく。これはヒーローが何か自分の人生を変える瞬間に出会ったポイントなのかも知れない。真面目な話、この曲を聴くと、あなたは心の中に一つの映像が流れていることに気付くだろう。」

(Yvonne Glasgow, Beat Dot Media)

「(『Survivors』に加えて)『Saga』の中で突出しているもう1曲は『Storm Goddess』である。この楽曲は壮大なブラス、渦巻くストリングス、叩きつけるティンパニ・ソロ、そしてマッシヴなドラムビートからなる、雰囲気のあるダークな仕上がりになっている。さらには、『Storm Goddess』では静かな予兆のパートが上手く配置されていて、その後メインテーマに再び戻り、クライマックスを迎える構成となっている。」

(Marie Flounoy, The 405)

「『Storm Goddess』は力強いスネアとバイオリンから始まり、どのパートが生演奏でどのパートがデジタルによるものなのか、リスナーがなかなか見分けがつかない方法で作られている。これは特にドラムに当てはまることで、いわゆるテクノ・ブレイクビート・スタイルではあるものの、本当にスキルの高いドラマーが演奏したかのようなサウンドをしている。」

(Layla Marino, Ellenwood EP)

昨今の「エピック」2017年版

僕が日本にいた頃にFindingsでも紹介したことがありますが(下記リンク参照)、アメリカではここ10年位にかけて、或る音楽のありようを表現するのに「Epic」という言葉が頻繁に使われるようになりました。実際Dark Modelの音楽もこの「エピック」という言葉を使って説明することが多く、今回のアルバムのプレスリリースの文章でも使用しています。ただ、音楽の世界でこれまで流行ってきた表現や業界用語同様、この言葉がイージーに使われ、本来の意味や本質が失われつつあるのも事実。先日「活字版のBBC」とも言われているイギリスの有力音楽情報ウェブサイト Music-News.com に掲載された「Saga」のレビューに非常に興味深い考察があったので、それを紹介しておきます。彼の解釈よると、Dark Modelの音楽はEpicと呼んでも差し支えないようですね。

「音楽評論の世界において、『エピック(壮大な)』という言葉はあまりにも軽々しく濫用されている。インディ・ロックのバンドがたった2つのコードで「ウーウーウー」と甘い声で歌って自分達の心のありようをかき鳴らせば、それを「エピック」と評してしまうご時世だ。MCがどうってことのないパンチラインをかましつつベースがドロップすれば、それでもう「エピック」だ。サイケデリック・ロックのギタリストのスペース・エコーの効いたギターサウンドが、無限大に反復しながら忘却の彼方へ消え行く。これも「エピック」だ。これらいずれの「エピック」も、ある人にとってはドンピシャでツボにはまる音楽で、彼等を音楽の涅槃への旅に連れて行ってくれるのかもしれない、しかし大抵の人にとってこの「Eワード」は、ただ適切な言葉が見つからない人達から発せられる(安易で)大げさな表現にすぎない。しかしながらDark Modelに限っては、シンフォニックな要素を注入した怪物のように壮大なテクノから成るそのブランドを、その頻繁に使われる四文字(エピック)を使って説明することが許されるだろう。(中略)もしあなたが5秒のループとベースのドロップ以上の音楽をエレクトロニック・ミュージックに求めるのであれば、Dark Modelを掘り下げて聴いてみると良い。そこにはあなたが探索すべき全く別の宇宙がある。」

(Jon C. Ireson, Music-News.com)

Findings中の参考記事:
「サイケデリック+エピック+ドリーミー、しばし「泣きメロ」」(2011年9月5日)
「昨今の「エピック・ミュージック」事情」(2010年12月6日)

「時間を積み上げる」ということ -シーケンサーの奴隷にならないために-

話を「Storm Goddess」に戻します。エレクトロニック・ミュージックに限らず、今や殆どのポピュラー・ミュージックは作曲・楽曲制作にコンピューターを使うのが常識になっています。自分ももちろんコンピュータとシーケンス/DAWソフト(以下シーケンサー)を使うのですが、このシーケンサーと作り手の関係を健全な状態に保って作曲に臨むにはある種の「心がけ」が必要になると思っています。それは「誰が時間をコントロールしているのか」を折に触れて意識するということです。

譜面で曲を書く場合、作曲する人間は時間を自分で「ゼロから積み上げて」いかない限り曲は前に進みませんが、シーケンサーを使って作曲する場合、再生ボタンを押せば設定したテンポ・拍子・調性に沿って「勝手に」先に進んで行きます。音楽プレイヤーやターンテーブルと同じく、再生ボタンを押す権限はこちらに与えられているものの、一旦押してしまうとその先の時間進行の舵取りはシーケンサー側が担います。レンガを一つ一つ重ねていくように、本当は自分で時間を積み上げなければ前に進まないはずの作曲という行為が、シーケンサーが実権を握ることで時間が「積み上がった」ように錯覚してしまう。本当は最初の2小節しかアイデアが固まっていないのに、コピー&ペーストを繰り返せばいくらでも時間を膨張させ、埋めることが出来る。極端な話、それで3分の曲が出来上がったかのように思わせてしまうところがあるのです。もちろんそういう曲を意図して作るならばそれで良いですが、無意識のうちに作曲という創作行為に許された「時間を操る自由・特権」を自ら放棄してしまっているとしたら、それは勿体ないです。

3行の文章をコピー&ペーストして一冊に膨らませた小説を読むのは誰でも苦痛ですが、幸い音楽に関しては、人間は繰り返しを楽しむことが出来る習性があります。僕の「お里」であるダンス・ミュージックやファンクは反復の美学の極みのようなところがあるので、その楽しさは人一倍理解していますが、作り手としてはその反復が意図したものなのか、シーケンサーやマシンに操られて結果的にそうなっているのかの違いははっきり区別・意識すべきだと考えています。反復には「慣れ(慣性)」があって、何度も聴いているうちについつい繰り返しに違和感を持たなくなって来るので、なおさら意識的に「その反復に意味があるのか?」と時折自分に問うことが必要になるでしょう。

「Storm Goddess」の様に楽曲が頻繁に展開するもの、リズムが変化するものを現在のシーケンサーで制作するのは、通常のダンス・ミュージックの制作と違ってちょっと厄介です。こちらが頭の中で描いているドラマ性や緊張感、起伏を的確に形にするために、自分とシーケンサーとの主従関係をはっきりさせて、コンピュータに「勝手に時間を積み上げさせない」ようにしなければならないのですね。

技術的なことをあまり詳しく書くと、音楽制作に関わっていない人には意味不明な内容になるのでこの辺にしておきますが、「音を並べる自由」に加えて、「時間をコントロールする自由」というのは作曲という創作活動に与えられた、とても稀有でありがたい特権なのです。上のエピック話ではないですが、この特権を無駄使いすることなく、受け手の皆さんが創造的でワクワクするような「時間の旅」を提供出来るような音楽をこれからも作り続けて行きたいと思う次第です。


これらの記事も併せて読まれています:
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Tatsuya Oe Updated: 2017/5/24 水曜日

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