Tatsuya Oe (Captain Funk/Dark Model) - Japanese Blog -
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OE『Suchness』制作ストーリー Vol.2 – 音の沈黙と隙間 –

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Home>Findings Top > OE > OE『Suchness』制作ストーリー Vol.2 – 音の沈黙と隙間 –
OE楽曲試聴視点音楽解釈
May 21, 2020
OE - Suchness

Contents

  • 1 音を引き算でとらえる
  • 2 人生は庭造りのようなもの
5月29日発売のOE『Suchness』制作ストーリー、第二回はその音楽についてです。

ビートのない、アンビエント・ミュージックの楽曲ばかりを集めたアルバムを作りたいという気持ちは随分前からありました。ただ、アンビエント的な音楽にもいろいろな方向性があるし、それこそDark Model, Captain Funk, OEそれぞれの名義に沿って全然違うタイプのアンビエント・アルバムを作ることも出来なくはありません。今回その中でOEを選びこういうタイプの楽曲を創作することにしたのは、自分が新型コロナウイルスによるパンデミックの中心地にいるという状況で「音の静寂」を求めたということもなくはありませんが、それよりも前回の投稿で触れた、元来自分の中に備わっている「禅的な遺伝子」を音に転化してみたいという思いの方が強いです。

音を引き算でとらえる

前回「禅的な遺伝子」の一つ、「引き算で物事を考える傾向」について紹介をしました。さて、時間・空間芸術の一つである音楽を「引き算でとらえる」とは何か?これに関しては色々な考え方やアプローチがあるでしょうが、僕は「沈黙(Silence)」と「隙間(Void)」という概念に注目して音を紡ぎます。

音と音の間の沈黙となる時間、音響と音響の間の隙間となる空間は単なる「無」や「空っぽ」なのではなく、それぞれ意味を持つ。むしろそれらの「間(ま)」こそが音楽を構成する根幹となり、時に緊張を生み、安堵を与え、音楽が次に変化・進展していくことを示唆する役割を果たす。いみじくも岡倉天心が著書『茶の心』で、壁や天井、柱ではなく「空間(のデザイン)」こそが建築であることを説いたことと重なりますが、アンビエント・ミュージックや環境音楽、ミュージック・コンクレートの作曲においては特にこの「間」に対する意識の持ちようが重要なのではないかと考えています。

過去のOE作品「Physical Fiction」や「New Classics Vol.2」を制作する際にもこうした方法論、マナーを意識しましたが、今回の『Suchness』は「(日本人の持つ)禅的な自然観」をコンセプトの中心に据えてそれを実践してみました。三味線や尺八の様な伝統的な和楽器こそ使っていないものの、それらの楽器の持つパーカッシブな響きや情緒を電子音で表現することに注力しています。

コンセプトを反映して、曲のタイトルは「Dewdrops(露)」「Yozakura(夜桜)」「Cloud Sea(雲海)」など自然を連想させるものが多くなっています。実は当初、アルバムのタイトルとして「山水図(Sansui-zu)」を考えていたくらいで、アートワークも雪舟の「破墨山水図」のような水墨画を使うアイデアも持っていました。

少し余談になりますが、アンビエントやニューエイジ・ミュージックの作品で東洋的な要素や日本的な情緒を音で表現しようと試みている作品は既に数多くあります。皆さんの中にもAmazonやYoutube等で「Zen Music」として紹介されている音楽に遭遇した経験はあるのではないでしょうか?ただ僕自身は前回書いた「Zen」話と同じく、ああいったタイプの音楽のどの辺りが禅的、和的なのかピンと来ません。その理由の一つとして思うのは、西洋的な感覚の延長でZen的なものを求めた場合、「沈黙(Silence)」と「隙間(Void)」という概念には到達しにくいのかなということです(この辺りも、岡倉天心が著書の中で指摘した茶室と洋式建築の違いに近いものを感じます)。

シンセパッドを全編に渡って敷き詰めた上に和楽器で西洋音階を奏でるニューエイジ・ミュージックやドローンミュージックももちろん音楽としてはアリだと思いますが、ヒッピー的、メディテーション(瞑想)的でこそあれ、Zenという言葉から連想されるものとは少し違うんですよね。今回の作品はそういった巷のニューエイジ・ミュージックや「Zen Music」とは全く違う質感を持っていると確信しています。

人生は庭造りのようなもの

今回の創作にあたってインスパイアされたものの一つに、以前帰国した際に訪れた北鎌倉の幾つかの禅寺とその庭園がありました。禅寺の建築物の見事さもさることながら、僕が感銘を受けるのはそれらの寺の庭園のデザインのバランス感覚やクリエイティビティ、そして手入れの行き届き具合です。

建築物は一度建ててしまえばそれなりに持ちこたえますが、庭園は自然の摂理に従い、毎日雨風にさらされ、変化していきます。だからといって、朽ちていく草木を放置し、荒れ放題にするわけにはいかない。生生流転(無常)を受け入れつつ、常に知恵を絞って「整理もしくは育てる」必要がある。つまり、庭園は持ち主の心構えや現状認識、日々の習慣的な行動がはっきりと反映されるのです。庭造りを人生に例えるのは少し大袈裟かも知れませんが、習慣作りがとても大事だと考える僕は、庭をそういう風に解釈しています。

(ここでは詳述しませんが、この「自然の摂理に従う」という日本の自然観と「文明で自然をコントロールする」という西洋的な自然観(もちろん全てがそうではありません)との違いは、日本庭園と西洋庭園の違いにはっきり表れていると思います。老いを受け止めた上で明るく生きようとする人生観と、薬や整形手術などありとあらゆる手段で老いに逆らおうとする人生観の違いかも知れません、笑)

そんな事を考えていた時に『Sakuteiki』という英語の本に出合いました。これは日本最古の庭園作りの手引き書『作庭記』を、英語圏の現代の読者に向けて分かりやすく翻訳したものです。日本語の原文、現代訳もネットで入手出来ますが、庭造りの心構えを英語でどうやって表現するのかに興味があったので、先に英語版に目を通しました。

平安時代に書かれたものなので、禅宗的な哲学めいた説明や庭を人生に例えるような話は登場しませんが、空間処理に対する引き算的な考え方や、造園者のアーティスティックなセンスに重きを置く姿勢は、後の枯山水に代表される日本の庭園作りの世界観と大いに重なるところがあると思います。

日本の庭園は、岩や石を使って自然の景観を表現していると言われますが、ジオラマの様に自然をミニチュア化したり、植物園のように生態的に再現することが意図ではなく、自然のエッセンスを抽出し、その趣(ありよう、風情、佇まい)を自身の美学に基づいて「象徴的に」表現することが目的です。つまり自然を高いレベルで抽象化し、「モデリング」している。

自然や空間を抽象化するということは対象物の配置や構造、そして「間」に明確な意味を持たせることでもあると思います。これは頭に浮かんだイメージを音で紡いでいく、作曲のプロセスとも近い部分があると感じるのは僕だけではないでしょう。

何はともあれ、29日発売のOE『Suchness』をお楽しみ頂けると嬉しいです。

注:新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、CDのディストリビューターであるCD Baby社はオレゴン州ポートランドにある倉庫を現在一時的に閉鎖しています。CDの出荷日についてのめどが立ち次第、追ってTopicsのページで連絡いたします。なお、デジタル配信は予定通り5月29日に開始します。

岡倉天心 - 茶の本 Footloose Soundtrack


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